B-5.装飾法華経断簡(伝光明皇后筆) ご売約有難うございました。

    

  
 拡大画像のため文字はややシャープさを欠いています。装飾と銀の界線にご注目ください。

  
 

 サイズ 本紙 縦245o、横63o 界高192o、界幅およそ18o
      額 縦 390o、横 300o

 紙本墨書、法華経巻第二譬喩品、平安時代中期(11世紀)

 「光明皇后」の付箋の付いた装飾法華経。
 全体に細かくちぎった銀箔を散らし、銀界を引き墨書で書写した経です。
 書体の特徴から光明皇后(奈良時代)から時代の下った、平安時代中期の11世紀に書かれたものと推測します。
 やや小振りな文字は、平安中期の名だたる装飾法華経の名品と比べても一歩も引けをとらない美し文字です。
 
 現状は手鑑から外したものと見え、本紙に金箔の縁取りがあります。
 保存状態は上部右端に破れの補修痕があります。
 銀界と銀箔は黒く変色して青黒くみえますが、墨書の文字と光沢が異なります。

 付箋に書かれた光明皇后からは時代の下る品ですが、小振りな料紙に整った小粒の文字、控えめな装飾に朱点は女性的な印象を受けます。
 法華経→女人成仏→光明皇后筆とするのもまったく的外れではありません。