B-5.大般若経断簡(平安時代前中期)売約済









グレーのマットが切り抜いてあります。

  
 文字の素晴らしさに対し、界線はやや粗雑に引かれた印象を受けます。
 

 サイズ 
 本紙 縦247o、横542o、界高203o、界幅18〜19o、
 額 縦365o、横715o

 紙本墨書、大般若経巻第四百一十一、平安時代前中期

 端正な楷書で書かれた大般若経断簡一紙28行です。
 威風堂々とした大胆な印象の文字ながら、ピッチ(字詰め)は正確で、書風の乱れもありません。
 古風な文字は、天平の手本を臨書した文字とも異なり、また和様の文字とも趣を異にします。
 書写年代は文字が和様化する過渡期にある平安前中期の作と見てよいかと思います。

 保存状態は虫食いが少々。他に後ろから4行目と5行目の間に屏風の折れ目で出来るような傷みが生じています。
 他に目立った傷みはありません。額は金色メタル枠、アクリル入。
 
 奈良時代と平安後期の写経の隆盛期の谷間の時代で、作例の少ない時代の品です。