B-1.伝・光明皇后筆 香染経断簡 売約済



サイズ 本紙 縦257o、横52o、界高198o、界幅18o


紙本墨書、香染、大般若経巻第九十七、平安時代中〜後期

光明皇后の極めの付いた香染の料紙に金界を引いた大般若経の断簡三行です。

文字を見ますと光明皇后より時代の下る平安中後期の書写と思われます。

料紙は香染=丁子で染めたものと思われます。丁子の香染は防虫効果のみならず深みのある褐色は金界と相まって高貴な印象を与えています。

保存状態は一行目に僅かな虫穴がありますが、極めて良好です。

染料に用いた丁子は国内では産出されず、この経の書かれた時代には南方から中国経由でもたらされた貴重な品であったことが考えられます。
高価な丁子を用いて大部の経(600巻)を作ることは多大な財力、労力を要した写経事業であったことは想像に難くありません。
同手の経は光明皇后筆の極めが付いた短い断簡となって、稀に民間で見かけますが、残念ながら伝来等は解っておりません。

尚、現状は手鑑から外した状態で、マクリのままです。
お客様のお好みもあることと思いますので、額装、軸装にはせずマクリの状態でのお届けとなります。