D-5.蒔絵戒体箱 売約済


 
 
 
 輪宝のハブと車輪は金蒔絵、五鈷は銀蒔絵で描かれています。

 
 
 
 「南泉斬猫図」=右手で刃物、右手で猫を掴み上げる南泉和尚が銀蒔絵で描かれています。
 
 
 角にアタリがあります。

 
 
 
 文の金具は鉄製です。(内側の留め金具は銅に鍍金)

 
 
 
 底は四隅に傷みが生じています。


 黒漆塗金銀蒔絵、江戸時代

 サイズ 高さ105o、横幅285o、奥行140o

唐代の禅僧 南泉和尚が猫を斬る逸話を絵にした禅機図「南泉斬猫図」と輪宝が金銀蒔絵で描かれたユニークな戒体箱です。
戒体箱とは灌頂の際の戒文や法会の次第等を納める箱で、経箱より一回り小さな箱を指します。

保存状態
蒔絵が長年の使用で摩耗し、下地の赤漆が露出した状態となりっています。
漆は一部色が透っており、表面には細かな断文が生じていますが、内外ともに塗の浮きや剥がれはありません。
アタリや擦れはありますが、木地の変形もなく十分に実用に耐えうる品です。

制作年代は江戸初期頃。
南泉斬猫」は禅機図として古くから描かれる画題で中国のみならず、日本でも度々描かれています