B-3.神護寺経断簡 売約済
 
 


 

 サイズ 本紙 縦255o、横413o、界高192o、界幅18o、 表具 縦985o、横495o ※表具横は軸端を含ま<br>

 紺紙金字大集経断簡、軸装、平安時代後期<
 久安年頃(1149)に鳥羽天皇の勅願経で、後の後鳥羽上皇の世に神護寺に奉納された紺紙金字一切経・神護寺経の断簡22行です。
 神護寺経は完成当初は5400巻があったと考えられていますが、寛政六年(1794)には4722巻、後の時代のの明治期に更に寺外に流出し、
 現在は2317巻が神護寺に残り、経箱、経帙  と共に一括で重要文化財に指定されています。

 ご案内の断簡は大集経日密分中品第二の品頭から22行です。
 目の覚めるような鮮やかな瑠璃色の料紙、眩く光る緊張感のある文字、丁寧に引かれた銀界などなど、他の紺紙金字経とは格の違いを感じさせます。

 本紙の状態は虫食い、色の褪せ、色斑もなく、極めて良好な状態です。
 表具は鶯色の外回し、銀欄の中回しおよび風帯、金襴の一文字の配合で、本紙を上手に引き立てています。(表具裂はいずれも古裂)
 表具は近年にされたもので、新装のような状態を保っています。


 行数は一紙に数行足りませんが、おそらくは品頭から切り分けたものと思います。
 写経入門者にもお勧めいたします。