A-1.繍仏 観音菩薩図 NEW

 
 上部の緞帳、背景色は手描き。

 
 
 面相と頭髪は手描き、宝冠、化仏、白毫、天衣、台座の蓮弁、框も刺繍です。

 







 



サイズ 本紙 縦730o、横271o、表具 縦1470o、横370o

 絹本刺繍著色、軸装、江戸時代

 民繍仏と言いたくなる素朴な繍仏です。
 江戸時代の繍仏で、刺繍で全面を埋め尽くすのではなく、一部肉筆をまじえて仏の輪郭や天衣、衣の分割線などを刺繍で表現してあります。
 中世以前の繍仏に比べあっさりとした作風に感じますが、肉筆画に比べはるかに労力が掛かっています。

 保存状態は本紙の刺繍に軽い糸のほつれが見られます。
 その他、表具に軽い折れ、シワが生じている以外は特に著しい傷みはありません。(当面表具換えの必要はありません。)
 表具は紙表具、古い桐箱入。
 
 記銘や箱きは無く、由緒伝来を知る手がかりはありません。
 素朴な作風ながら手間暇かけて作られています。一針一針を作善と考えたのかもしれません。