A-5.胎蔵曼荼羅残欠(応永年間写) 売約済

 

 目の粗い絹本に描かれていながら、色の抜けや剥落はさほど目立ちません。

 


 サイズ 本紙 縦140o、横55o
       各 縦270o、横220o

 絹本著色、額装、室町時代初期(応永年間写)

 室町時代の最初期 応永年間(1394〜1428)に描かれた胎蔵曼荼羅の残欠です。

 図像は上段(以下左から)阿詣羅仙(あけいらせん)、阿詣羅仙后、中段 瞿曇仙(くどんせん、瞿曇仙后、下段 毘紐女(びちゅうにょ)、自在女(じざいにょ)、夜真女(やまにょ)、、
 最下段は賢瓶宮(けんびんぐう)、摩竭宮(まかつぐう)です。
 この曼荼羅はかつて民間で切断された品ですが、切断前に応永年間の記銘があったことで知られます。
 室町時代は木版彩色曼荼羅が普及したことで、純然たる肉筆本は数を減らす傾向にあったと思われます。
 そんな時代に作例でありながら図像の線描の正確さ、美しさは際だっています。

 保存状態は顔料の部分的な剥落が見られます。その他に大きな欠点はなく、補筆、補色は見当たりません。
 額はダークブラウンの木製、グリーンのマット、アクリル板仕様です。

 とても小さな品です。お気軽にお楽しみ頂けることと思います。