A-1.中尊寺経 秀衡願経断簡(大般若経)売約済
ライトを当てての撮影のため色斑に見えますが、実際には色斑はありません。
左:13行目、右:19行目の訂正箇所
サイズ 本紙 縦257o、横550o、界高190o、界幅18o 表具 縦922o、横550o(軸端を含まず)
紺紙金字大般若経巻第二百十一、平安時代末期
奥州藤原氏三代の秀衡発願の一切経の一部、大般若経の断簡一紙です。
初代清衡の紺紙金銀一切経、二代基衡の千部一日経、三代秀衡の紺紙金字一切経を一括して「中尊寺経」と呼ばれる経です。
青色の優った紺紙に殆ど磨かれていない金字が特徴で、一般に「黄土経」とも呼ばれることもあります。(文字は磨けば光ります)
書体は端正な楷書ですが、多くの行が字詰まりで13行目と19行目の脱字を朱点でマークして書き加えた箇所があります。
字詰まりに脱字訂正など800数十年前の書き手のバイオオリズムを垣間見るようで面白い資料と思います。
保存状態は極めて良好で、800年以上が経過した品とは思えないコンディションを保っています。
表具は金襴と紺の上下を合わせて新たに仕立てました。サイズは現代の住宅事情等を考慮してコンパクトに仕立ててあります。(桐箱、紙製の太巻き付)
尚、同筆と思わる大般若経巻二百九十三が根津美術館所蔵品にあり、一紙のサイズが本紙縦が若干異なる他は完全に一致します。(本紙縦は本品が2o大)