B-2.中尊寺経断簡(藤原基衡発願 千部一日経) 売約済 




文字は光の角度でキラキラと光ります。




軸端は陶製です。



サイズ 本紙 縦253o、横391o、表具 縦1055o、横519o

紺紙金字経、無量義経 説話品第二、古裂表装、平安時代後期(12世紀中頃)

奥州藤原氏二代基衡が発願した法華経「千部一日経」の一部です。
千部一日経とは、一日に法華経(開結共十巻)を書写し、それを千日間続けるといった一切経書写にも勝るとも劣らない途方もない写経計画です。
経名は法華経の開経の無量義経の説話品第二の品頭から21行です。(一紙に少し足りませんが品頭が一行目になるように切断したものと思われます。)

この経の特徴としては、やや白みを帯びた粒子の粗い金泥を用い、小粒でシャープかつしなやかな文字で書かれている点があげられます。
粒子の粗い金泥は光を当てると反射して眩く光ります。これは清衡経、基衡経によく見られます。

保存状態は本紙の上下余白に虫穴の補修があります。
表具はベージュ系の古裂の台紙貼表具で品よく仕立てられています。
尚、表具の上下の無地の裂にシワ、擦れがありますが、古い表具裂を用いて近年仕立てたもので、使用して傷んだものではありません。