C-8.童子像(近代彫刻) 売約済
サイズ 高さ270o
木彫、明治37年作(1904年)
伝統的な仏像彫刻に西洋彫刻の要素を取り入れた精緻で美しい彫刻です。
阿修羅像のような細身の童子像です。おそらくは矜羯羅童子をモチーフに作られたものと思われます。
素材は桜材のような樫木で緻密に彫られています。作りは本体と台座は別造りで、本体は基本的に一木で左腕のみ接いであります。
コンディションは極めて良好です。矜羯羅童子として制作された像であれば持物の蓮華を欠いています。
台座裏の銘文は「明治丗七年九月吉日 東京市浅草区 神仏彫刻師 野村是?□」となっています。※□判読出来ず。
神仏彫刻師の野村某氏は制作年から高村光雲と同時代の人で、浅草仏師の系統の人と思われますが、略歴などは解っておりません。
作者は光雲のように今に名を残す人ではありませんが、名人級の腕前を持った人だったようです。
明治の木彫にありがちな装飾過剰な表現もなく、伝統的仏像彫刻の凛とした高潔さを保った素晴らしい作品です。