B-3.中尊寺経一紙断簡(基衡発願経) 売約済






 


サイズ 本紙 縦253o、横506o、額 縦314o、横614o

藤原基衡発願千部一日経、無量義経説話品第二一紙、平安時代後期(1130〜1140年頃)

奥州藤原氏二代基衡が発願した法華経「千部一日経」の一部です。
経名は法華経の開経 無量義経の説話品第二の一紙の27行の断簡です。


平泉が最もさかえた時代は二代基衡の時代と言われます。
そんな時代を反映して金泥をふんだんに使って書かれた経文は、およそ900年の年月を感じさせないほど眩く輝きます。
これら中尊寺経は同時代に都で書かれた勅願経 神護寺経に引けを取らない質の高さで,黄金の国平泉を象徴する文物の一つと言えます。
尚、中尊寺経は後年、豊富秀次の命により中尊寺より持ちだされ、多くが高野山に奉納されましたが一部は外部に流出し、現在中尊寺には僅かな巻数が残るのみと言われます。

保存状態は本紙の上下余白に虫食いがあり、の同系色の紺紙による補修(裏打)がしてあります。しかし、幸いなことに文字部分に目立った傷みはありません。
額は細身のアルミ額(新品)でアクリル板入りです。

紺紙金字経は民間に出て断簡になりますと、伝来の識別できなくなる事がありますが、ご案内の品は伝来の確かな一巻から切り離された品で、また、粒の粗い金泥の特徴から、基衡願経で間違いはありません。入門者の方にも是非ご検討頂きたい品です。