A-7.愛染明王図 売約済
※表具を仕立て直しました。価格は修理前と変更はありません。画像も一部入れ替えました。
表具全体を撮影した場合、デジタルカメラの描写力では細部が表現しきれません。
二重箱入
サイズ 本紙 819o、横 384o、表具 縦1670o、横532o ※軸端を含まず
絹本著色、軸装、室町時代
室町時代後期の多彩な色彩と細密な金泥文様が美しいい愛染明王図です。
作風に独創的なものはないものの、輪郭線は細く端正で図像も至って正統派です。
彩色は経年の古色が加わって落ち着いた印象ですが、かえって金泥で描かれた七宝繋や麻の葉文が際立って見えます。
文様をはじめ金彩色の大部分は金泥描きでありながら、截金に引けを取らない繊細さで描かれています。
尚、光背の輪郭線のみ切箔で表現されています。
制作年代
足利絹と呼ばれる目の粗い画絹に描かれています。
画絹の質や他の作例との比較から16世紀、室町時代後期の作と推測します。
保存状態
本紙、表具は古い表具のまま仕立て直したため、折れ、シワはありません。
本紙下部の宝瓶の周囲の緑青(現状は茶色)に塗られた部分は、銅系の顔料が使われたことから緑青焼けによる劣化、傷みが見られます。
傷んだ部分は丁寧な修復がなされ、絹本の浮きや剥がれは生じていません。
愛染明王本体には目立った汚れ、退色も少なく制作された年代を考えればとても良い状態です。
表具裂は外を茄子紺の無地、周囲を朱色の雷文に似た文様の刺繍、一文字を雲竜文の銀襴、軸端は赤茶の塗りで仕立てられています。
二重箱入りです。