D-1.五鈷鈴 売約済




五鈷の爪は見る角度で形状が異なります。


見る角度により五鈷の取り付けの歪みがわかります。






五鈷の爪には隙間があります。



 
 

サイズ 高さ185o、鈴身径88o、重量712o 

銅製鋳造、室町時代

鈴身の紐帯に連珠を巡らせた五鈷鈴です。
五鈷と鈴は別作りで、五鈷は銅で作り、鈴身は黄灰色の佐波理に近い材質で作られています。
鈴身は紐帯の間が素文のスッキリとしたタイプですが、肩の蓮弁と連珠文の外区に八ツの鬼目が陰刻された珍しい意匠の作りです。
五鈷杵の部分は爪が見る角度により開きが小さく見えるタイプで、爪先はそれぞれが離れています。

保存状態は五鈷の把の摩耗、取り付けの歪み、爪の歪みがあります。

五鈷と鈴身の接合部に隙間が生じています。接合は半田で固定されています。
五鈷鈴は実際に手に持ち鳴らす仏具のため、接合部の傷みは多くの品に見られます。
鈴身は傷、歪みはありません。鳴りは澄んだ音で長く響きます。(FBで動画をご覧ください)

製作年代は文様の彫がやや浅いことから室町時代と推測します。

肩に鬼目、連珠文の紐帯を持った品はとても珍しい品です。