D-2.金銅装蓮華文経箱








反対側の面:右から二番目の金具を欠いています。






側面:中央の金具の一部を欠いています。


中央やや右の小さな金具を欠いています。


中は漆塗りで大きな傷みはありません。古い紐がついていますが、撮影は外して行いました。


底は上げ底になっています。




天板には13個の蓮弁と蓮台の高肉彫りの金銅金具が鋲留めされています。金具に欠損はありません。


価格300,000円(消費税・送料込) 

サイズ 横幅 367o、奥行 271o、高さ 130o 

金銅装、室町時代

木製の箱に銅板を前面に張り巡らせ、蓮華の金銅金具を取り付けた「金銅装蓮華文経箱」です。
周囲に蓮華、天板に蓮弁および蓮台、正面下部に4、側面に3の格狭間に、それぞれ金銅金具が鋲留めされています。
蓮華文の金具は高肉彫りで、立体感を持たせてあります。

浅い長方形の箱で、一見して説相箱に似ますが、蓋を持ち紐金具を持つことから経箱と解ります。
全面を覆った銅板は煮黒め(煮込み着色)で着色され、金銅金具をよく引き立てています。

保存状態は一部の金具が失われている他、天板に若干の青錆が浮いています。
箱の躯体に大きな問題はなく、蓋の合わせ、座りは問題ありません。

金銅装の仏具の作例は鎌倉〜室町時代に多いことで知られます。
ご案内の品のシンプルな細工の金具は、後の時代の細密さを競うような作風と趣が異なります。
製作年代は室町時代を下るものではないとお考えます。

中は状態がよく、通常の仕様にも問題ありません。8〜10巻程度の経巻、経本が収納可能と思います。
ウブな品ですので、時代の汚れはあえて除去せずにご案内致します。