D-1.金銅宝相華唐草文鉢
高台など擦れやすい部分から地金の銅が露出しています。
縁に帯状に巡らせた七宝繋文と胴に彫られた宝相華唐草文
宝相華の輪郭は蹴彫り花弁は毛彫りで彫金されています。花弁の毛彫りは繊細でデジタルカメラの解像度では表現することが出来ません。
内部は僅かに鍍金が残る状態ですが、殆どが剥がれ地金が黒く変色し、青錆が浮いています。
持ち手の穴は塞いであります。(向こう側の同様)
塗箱付
価格143,000円(本体130,000円+消費税13,000円) ※送料当方負担
サイズ 口径279o、高台径69o、高さ81o
銅製、鋳造、鍍金、彫金
周囲に宝相華文と七宝繋文の彫金を巡らせた金銅製鋺形の鉢です。
元来の用途は不明ですが、両脇に持ち手のあった痕跡があることから、一か所に据えて使用するものではなく、布薩用具の盥のように持ち運びの用途に叶う品であったものと推測します。
彫金文様は外周の縁に七宝繋文、他全体に宝相華唐草文が彫られています。彫金の線は毛彫りと蹴彫りを巧みに使い分け、繊細で軽快な文様が彫られています。
鉢の作りは鋳造で肉厚はおよそ3oほどあり、重厚感があります。
現状は鍍金が斑に摩耗した状態です。しかしながら、金銅の什器は根来と同じく年月を経た劣化や摩耗が欠点とはならず、むしろ美点とされることがあります。ご案内の品も長年使い込まれて鍍金が斑になり、より重厚感や風格は増しているように思います。
高台の径は広く作られ、安定がよく座りに問題はありません。
花器や灌仏盤に見立ててお使いになられても宜しいかと思います。
製作年代は桃山〜江戸中期くらいでしょうか?正確には判りません。
尚、長年使いこまれた使用感がありますので、昨今に作られたコピーではありません。