B-9.大日寺瓦経残欠


表面:縦横の界線は細く繊細に引かれています。画像は照明を左横からあてて界線を目立つように撮影しました。


裏面





 

次復於龍方當畫虚空藏勤勇被白衣持刀生焔光

及與諸眷屬正覺所生子各隨其次第列坐正蓮上
今説彼眷屬大我菩薩衆應善圖藻繢諦誠勿迷忘
謂虚空無垢次名虚空慧及清淨慧等行慧安慧等
如是諸菩薩常勤精進者各如其次第而畫莊嚴身

略説大悲藏漫茶羅位

竟爾時執金剛祕密主主於一切衆會中諦觀大

世尊目不暫瞬而説偈言
一切智慧者出現於世間如彼優曇華時時乃一現
眞言所行道倍復甚難遇無量倶胝劫所作衆罪業
見此漫茶羅消滅盡無餘何況無量稱住眞言行法

 

※赤字が残存部分。(半欠の文字も含む


価格82,500円(本体75,000円+7,500消費税円) ※送料当方負担

サイズ 縦最大99㎜、106㎜、厚さ15㎜

大日経巻第一部分、平安時代(延久三年1071)、鳥取大日寺経塚出土

鳥取県大日寺経塚出土の瓦経 大日経の一部です。
瓦経とは末法の世の到来に備えて、半永久的に経典を残すため瓦に経文を刻んで埋納したものです。
瓦経を埋納した経塚は西日本を中心にいくつかが知られますが、年代の判るものは十指に満たないといわれ、その中で延久三年(1071)の鳥取・大日寺経塚出土の瓦経が最も古くとされます。(もっとも時代の下るものが承安四年(1174)の小町塚の瓦経)
出土した経は法華経のほか台密で重要視される経典が多いと言われています。

ご案内の品は大日寺瓦経のうちの大日経巻第一の一部です。
この瓦経の特徴は縦横に細い線でアタリがつけてある点があげられます。
文字は粘土が乾かぬうちに速筆で書いたものとしては非常に洗練されています。

ご案内の個体は残存した文字をSATで参照しますと、一行あたり20文字の字詰めで描かれていることが解ります。
小町塚の瓦経が小さな個体でも誤字脱字が甚だ多いことに比べ、残存部を見た限り誤字脱字はありません。

保存状態はやや摩耗があります。
中央から接合されていますが、割れた状態で出土した個体を合わせたものです。

ひと頃よりも随分とお求め安くなりました。お探しの方、ご検討お願い致します。