A-9.鎌倉法印 貞暁消息紙背印仏断簡(高野山・寂静院伝来
    
    
右端は巻物にした時の糊代のため変色が見られます。

     
     裏面:貞暁の判読できる文字はありませんが、左下に縦の一画が見られます。
  


マットを切ってあるため、本紙の周囲が若干隠れています。


価格 お問い合わせ願います。

サイズ 本紙 縦132o、横60o、額 縦275o、横224o 

高野山寂静院伝来、鎌倉時代初期

源頼朝の庶子で三男の鎌倉法印 貞暁(1186〜1231)所縁の阿弥陀如来像の印仏。
貞暁没後、故人が師僧にあてた消息の紙背に印仏を押して寂静院の阿弥陀仏(重文)の胎内に納めた品で、近年、民間の研究者により貞暁所縁の品であることが証明されることとなった品です。

貞暁が生前残した消息を横半分に切断し、それぞれに縦に二段、横に10〜10数列の印仏を押したものを繋げて巻物に仕立て、寂静院の阿弥陀仏の胎内に納めたものと言われます。印仏には念仏の回数(或いは印仏を押した個数)と見られる、百、二百の文字が見えます。
裏面は貞暁の文字と明確に認められるものはないものの、縦に一画筆で引いた線が見られます。

保存状態は糊代になった部分の変色があるものの、一紙の最初の部分のためプリントは良好です。
額はグレイ基調の木製額、アクリル板入りです。

貞暁に所縁の印仏であることが判明して以来、蒐集家の注目を集め、瞬く間に入手困難となった品です。
価格等はお問い合わせ願います。


※余談
貞暁の母 大進局は大倉幕府(鎌倉幕府)に仕える侍女だったと言われています。
鎌倉法印とも呼ばれる貞暁は政子に疎んじられたため鎌倉に住した記録はありません。
尚、当店は北条政子が晩年を過ごした邸宅の跡地にあります。なにか因縁深いものを感じます。