D-4.金峯山出土 御正体鏡板残欠
上部に釘で打ち抜いた痕跡が見られます。
裏面は全面錆で覆われています。
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サイズ 最大径 245o
白銅製鍛造、平安時代後期
白銅の鏡板に鍍金の環座と覆輪のついた御正体の残欠です。
元来は鏡板に別材で造った神仏像を鋲止した品で、鏡像から懸仏へ移行する過渡期の品です。
銅が不足していたと言われる平安時代にあって、良質な白銅の鏡板に鍍金の金具の付いた御正体は、奉納品として贅沢の極みと言ってよいかと思います。平安時代の金峯山は藤原道長をはじめ時の支配階級がこぞって詣でたことで知られます。この品も当時の支配階級、権力者の奉納品であったことは想像に難くありません。
鏡板は割れ、神様はご不在ですが、鏡面には後屏のまえに鎮座した姿が影のように残っています。