A-5.阿弥陀迎接図
売約済




フラッシュで撮影したため、阿弥陀如来の右頬付近の糊の付着した痕が光って見えています。室内光では目立ちません。



 


阿弥陀如来と観音、勢至、地蔵菩薩を描いた阿弥陀迎接図※(来迎図)です。
※裏書に迎接之曼荼羅とあり
四尊像の構図の阿弥陀如来図は初見でしたので、当初は巨大な来迎図の残欠と考えましたが、諸尊の配置から見て当初からこの構図で描かれていたことが判りました。
作風は早来迎形式の浄土教絵画にしては静的で、珍しく金の彩色がなく、色彩感に乏しい感覚を覚えます。
しかし、暗所で部分的な照明で鑑賞しますと、線が際立ち、コントラストが強くなることで荘厳な仏画に一変します。(↓の2画像)


どこか平安仏画を髣髴とさせる穏やかで静的な面相


照明を落とた場所でスポットライトをあてての撮影



保存状態は緑青の顔料による画絹の劣化、一部彩色の剥落、時代の汚れが見られます。
箱に昭和34年(1959)の修理を示す書付があり、更に近年になり古い表具裂を利用して再表具した模様で、現状は小折れ、巻シワが見られますが、再表具をすることなく鑑賞いただける状態です。
尚、表具の裏に書付が残り、□禄七年(1694年、元の文字が欠失していますが干支から判断)に寺に寄贈されたと思しき年号が記されています。
しかし、全体の時代感、発色に乏しい彩色、やや目の粗い画絹は、元禄時代に見られる華やかな作とは隔たりを感じます。
従いまして、元禄よりは時代が遡ると作品と推測します。


サイズ 本紙 縦852o、横366o、表具 縦1440o、横486 ※軸端を除く 

絹本著色、軸装、室町時代〜江戸時代