A-6.浄瑠璃寺印仏残欠 売約済



      

         

         
       額の紙箱に頗る達筆の「箱書」があります。方南さんでしょうか?

サイズ 本紙 縦およそ170o、横およそ220o、額 縦303o、横393o

浄瑠璃寺伝来、平安時代(1105年頃)、額入

京都・浄瑠璃寺の国宝・九体阿弥陀の中尊の胎内から発見された日本最古の仏教版画です。
浄瑠璃の版画には2種類あり、百体を一版で摺った「摺仏」と十二体一版を押印した「印仏」とがありますが、ご案内の品は十二体一版を押した「印仏」にあたります。二種類の版のうち、どちらが古いかは諸説あるようですが、素朴で古様な印象を百体一版に比べ、十二体一版は線も細く、より洗練された印象を与えます。
尚、十二体一版には紙背に「長治二年五月十五日」の墨書きがあるものもあるといわれます。(長治二年=1105年)

十二体一版の印仏には一紙に版を3列2段に押した72体のものと、上部に紙の余白が生じた場合は版木の最下部の一段3体の仏を3列9体を加え計81体押したものとがあります。この度ご案内の品は一紙の1/4ほどの残欠で、阿弥陀仏の胎内から取り出したままの状態です。

素木の額にオフホワイトのマットを切って入れてあります。
裏打はありませんが、額からズレぬように糊で軽くとめてあります。

仏教美術蒐集の基本となる品です。