A-8.尊勝曼荼羅図像断簡



照明の関係で画像が黒ずんでいます。


古い箱入です。由緒伝来を示す書付や資料は添付されていません。
価格253,000円(本体230,000円+消費税23,000円) ※送料当方負担
サイズ 本紙 縦277o、横494o,表具 縦1140o、横577o ※軸端を含まず
紙本、墨書、著色、軸装、鎌倉時代
尊勝曼荼羅に描かれる八大仏頂のうちの「白傘蓋仏頂」、「最勝仏頂」、「尊勝仏頂」の断簡です。
密教図像は本来、鑑賞に用いるものでなく、密教僧の間で師資相承されるもので、図像の巧拙よりも伝承が主目的とされます。
ご案内の品は一見して専門の絵師の作ではなく、僧侶が自ら筆を執ったものと判る品です。各図像には仏の形状や持物、尊勝曼荼羅における位置関係が簡単に記されています。
尚、二行目のやや色の異なる「八佛頂形像菩薩」の文字は、巻物の表紙の題名もしくは紙背部分を切り貼りしたものと思われます。
制作年代
特徴的な癖のある文字は鎌倉時代の図像並びに聖教によくみられるもので、鎌倉時代(13世紀)の品と見てよいかと思います。
保存状態など
本紙に薄汚れがありますが、特に目立った傷みはありません。
表具は金モールに似た古裂の中まわしと紬の古裂の上下、軸端は朱塗の撥型で仕立ててあります。表具は少々くたびれ感はありますが、当面表具換えの必要はありません。
尚、箱に「図像抄 淡彩 鎌倉時代」の貼り札がありますが、本は図像抄に収録はなく、元の図像集名は判っておりません。
稚拙に見える作行を密教図像本来の姿と見るか、下手な作と見るか?当店では当然ながら前者を支持します。
拙くても鎌倉仏画。図像ファン必見の品です。


